「変身するカツラカウンセラー 円形脱毛症」 〜 この章の主役の阿部さん、この頃は元気で頑張ってたんだなぁ。自分の経験を生かし、たくさんの人を助けていたのに、自殺(出版の翌年)してしまうなんて・・・。人の何倍も苦しんだけど、幸せを求めて人生を全速力で駈け抜けていた。あんなにもがきながら自分らしさを探し続けてた人なのに、「普通」でないという認識を乗り越えられなかったということなのだろうか?「普通」に暮らすことがどういうことなのか、考えずにはいられない。
「五体不満足のリアルなボディイメージ サリドマイド」 〜 障害は、克服すべきものなどではない。ここでも乙武さんの「五体不満足」が引き合いに出されていたけれど、我々が目を向けなければならないのは、障害者と健常者との共通点だとか、さりげないふれあいとかだけじゃなく、個々のボディイメージに寄り添い、リアルに感じ合うってことなのだ。薬害が、今後いっさい起きませんように。
「フェニックスは飛んでいるのか?ヤケド・サバイバー」 〜 ヤケドを負った日を境に、昨日までとは違った自分を生きる・・・マイナスからの再出発・・・アイデンティティの完全崩壊と再構築・・・私には想像もできないことだが、そうやって自ら新しい人生を築き上げ、物言わず苦しむ何万人もの人を励ましてすらいる、・・・そんな人が現実にいることを知り、ショックを受けた。