すご過ぎる石垣 9
蕨野の棚田
 
1つ1つの石を大きさを揃えて手作業で削り、運び、積み上げたと思うと、その苦労に感動せずにはいられない。
今から150年前から造り始められたそうだ。
水路もこうして確保されている。
 延々と続く石垣。あんなにも高い所までも、積まれ続けている。そして、山のてっぺんには杉並木。
 花粉症を引き起こす憎っくき杉ではあるが、こうして何年にも渡って整然と植え続けられ、きれいに管理されてきたっていう点で、心を打つものがある。
「日本一の石積み」 高さ8.5m。うん、確かに高い。
 『昭和10年格治成』と刻まれた根石が残っているそうだ。
 昭和元年、田の所有者である川原格治さんが17歳(昭和元年)のときに着工し、昭和10年に完成したという。
棚田の造成は、石垣棟梁の指導の元、「手間講(てまこう)」と呼ばれる共同作業で行われた。
八幡岳のため池から水を引いているらしい。
田と田をつなぐ小道
2004年には全国棚田サミットがここで開催された。
湧水の水温は、常に15度。
稲刈りが終わると、菜の花の種をまくのだそうだ。真っ黄色に染まる棚田も見てみたい。
たくさんの生き物が、この棚田で生まれ、育っていることと思う。
棚田の数は全部で1050枚。
「△△県 □□様」と書いた札が、ところどころにあった。棚田オーナー制をやってるみたいだった。
田植えを前にして、周囲の草はきれいに刈り取られていた。しかし、平成15年までは、耕作放棄地も多かったようだ。

私が石垣を好きな理由って、人の営みを感じ取れるからなのかもしれない。じーっと見てると泣けてくるよ。
隣近所、みんなで協力し合ってあって守ってきたのね。

農作業をしている人の姿が、あちこちで見受けられた。

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